2018年3月31日土曜日

お気に入りの野草図鑑

先のブログで野草山菜図鑑を紹介しました。
野草山菜図鑑や野草料理本
今回のは食毒関係ない図鑑ですが、実に使い勝手がよいので記します。

一年半前ごろ、書店で野草関連書籍を見ているときにこの本に出合いました。


最新版 街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本
(書籍名または写真クリックでamazonへ)

書物が何冊あっても情報が分散されるだけなので図鑑は増やしたくないのですが、これはよかった。
なので即購入しました。

街中や河原や原っぱに行って、すぐに目につくような草をメインに掲載してあります。
この最新版は2014年発行と新しいので、植物の科の分類をAPG分類で掲載してあります(シロザがアカザ科からヒユ科になったー)。
絶滅危惧種のレッドリストや要注意外来生物も各植物ごとに明記されています。
本の最初のほうに植物の用語(互生・距など)が載っています。

身近で見られる草が掲載されていますので、ちょっと散歩という時にも便利。
ですが、厚みが32ミリと少し厚めかな?
しっかりとした紙質ではありませんので、めちゃ重いというわけではありません。

いやもうなんというかマニアックな本ですね。

しょっぱなからオオイヌノフグリ・タチイヌノフグリ・イヌノフグリ・フラサバソウ・コゴメイヌノフグリ・ムシクサとまあオオイヌノフグリに似た植物が並ぶ並ぶw

といっても難しい本ではなく、写真と文章でわかりやすく解説してあります。
購入する決め手になったのは、似た植物との見分け方ページがしっかりとあること。
オオイヌノフグリとイヌノフグリ、タチイヌノフグリとムシクサの見分け方が写真付きできちんと書いてあります。おお!!

イネ科雑草が充実している点も面白いです。
メヒシバやオヒシバは知っていましたが、コメヒシバ知らなかった。
カヤツリグサは知ってても、その後にカヤツリグサ科が29種も載ってる(@@;

食べられる野草のアキノノゲシのところにはホソバアキノノゲシやリュウゼツサイが写真付きで載っていました。このふたつ知らなかった。。


とっつきやすい文章で書いてありますのでスラスラと読めますし楽しいです。
でもその代わり、詳細な説明が少ないところもあります。
そういうとこは自分で書き込めばいいだけの話ですので書いてます。

(解説文が読めないようにしてあります)

はい、図鑑に色々書き込む派です。
ノートを別に作成するよりもこれ一冊で完結するほうがわかりやすいですし。
フィールドで実際に見たら、名前の横に〇印をつけ、索引ページの名前に線つけてます。
食べられるか否かを書き込んでもいいですね。


街中で見かける草の図鑑ですので、山にある草などは載ってなかったりします。
でも、これ一冊で完結したい。
なので私はこんな風にしています。


右下が該当本。ようわからん状態になっていますね。
すぐにボロボロになって邪魔になる表紙を取り外し、クリアケースでポケットを作り、図鑑に載っていないけれど覚えておきたい植物をはさんであります。
こんな感じになってます。


後半は自分の図鑑の使い方になってしまいましたが、これから野草がぐんぐん伸びる季節ですので、気に入った図鑑をもってフィールドにでてみてはいかがでしょうか。










野草山菜図鑑や野草料理本

食べられる野草山菜の図鑑でおすすめなのありますか?と聞かれる事が何度かあります。
すべての図鑑を見たわけではありませんので『これが一番いい!』と断言する事はできませんが、多少でも参考になればいいなと思い、持っている本について記してみます。
(アンダーラインと黄色がある文字や画像の一部はamazonへのリンクをはってあります。)

私が持っている野草山菜図鑑


この他に『道草料理入門』と、自費出版ぽい感じの『自然を味わう野草料理』がありまして、ただいま貸し出し中です。


『料理に生かす身近な薬草百科』
某巨大掲示板の野草関連スレで「ものすっごくいい!」と紹介されていましたので買ってみました。でも、私にはあいませんでした。
体に良いとされる植物が薬用効果と共に掲載されています。
じゃがいもなど野菜も載っています。
利用法は煎じて飲むのが多いです。
食材というのは良い面悪い面両方を持っていると思っていますので、「これは体にいい!」とかあまり思わない性格でして、薬効が記されていても、ふーん、で終わる私。
注意する点として、今では毒草扱いとなったコンフリーが掲載されています。
2013年発行本なのに、2004年に毒指定された情報が反映されていませんね。。。
食べられる野草山菜図鑑には載っていない植物も多数掲載されていますのでずっと手元においておきましたが、薬効が知りたいかたにお譲りしちゃおうかなと思っています。


山菜と木の実の図鑑
写真がたくさんあり、著者の歯に衣着せぬ食レポが楽しく、自分も食べてみたくなる図鑑です。
そして他の山菜図鑑よりも木の実と野生イチゴの掲載数が多いです。
イチゴは10種も載っていて、どのような味なのか記されています。
木の実、それから根っこ(地下茎・根茎)もたくさん載っています。
ただ、今の時期はどんな植物が収穫できるかがわかりづらく、植物の特徴も把握しづらく、似ている毒草との照合が難しいです。
良い本ではあります。


山菜
表紙がないのでわかりづらいですね。こんな感じの表紙です。



フィールド・ガイドシリーズの本です。
屋外へもっていって見る事を前提としていますので、薄めで小さい本ですが、私が持っている野草山菜図鑑の中で掲載植物が一番多いです。
街中で見つけられる植物、郊外、山、それから木の芽、木の花、木の実などの項目に分かれています。
簡単な料理法も載っています。
ハンディタイプの本に種類多く載せてありますので、個々の説明文が短いです。
植物に興味を持ち始めた人がこの本で同定するのって、ほんのちょっと難しいかもしれません。
※私が持っているのは1993年発行本ですのでコンフリーは普通に掲載されています。その後改定されたかはわかりません。


ひと目で探せる四季の山菜
これも表紙を外していますね。外へ持ち出すとボロボロになるのがイヤですぐにとっちゃうんですよ。
表紙はこんな感じです。



掲載量がずば抜けて多いわけではありませんが、食べられる野草山菜に興味を持った人には私はこの本をおすすめしています。


私が持っているほかの図鑑とは違い、収穫できる時期、採れる場所、そしてなにより、植物の特徴をきちんと細かく書いてあります。
月のところに色がついていて、アケビは春の新芽、秋の実の二回収穫できる事がわかりますね。

似ている毒草も同じページ内に掲載してあります。


写真右下、赤い枠で囲まれているのがタラの芽に似ているヤマウルシの芽。
植物に詳しい人は事前知識として似ている有毒植物を把握していますが、初めて興味を持ったかたはヤマウルシをご存知ない人もいらっしゃると思います。
なので同じページ内に記してあるのはとても良い事。
採取の手引きとして、一番芽だけを摘む、と書いてあるのもいいですね。
ただ、この本も発行が古いです。
コンフリーは掲載されていませんが、発行後に有毒となったものが載っているかもしれません。


最近では食べられる山菜野草図鑑も多数出版されていることと思います。
私は古い本しか持っていませんが、新しい本の中に良いものがあるかもしれません。
料理が多数掲載されている本もよいのですが、自分で採取するのでしたら、植物の特徴や採取時期、採れる場所、そしてなにより、似た有毒植物がすぐにわかる本がよいと思います。


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野草山菜レシピ本では、この本が一番好き。

道草料理入門


最近でた野草山菜本はどのような感じか知りませんが、昔の野草山菜本に載っている料理は和風のものばかりでした。
こちらの本は洋菓子などへの利用法が多数載っています。
しかも、全部美味しそう!!
私が毎年作っているふきのとうのクリームチーズスナックなどはこちらの本でレシピを知りました。
今では野草友達の間でごく普通になっているカラシ菜のタネから作るマスタード、これもこの本で初めて知りました。
発行は2008年と少し古いですが、掲載されている料理は今でも目新しく感じます。


もう一冊、『自然を味わう野草料理』という小冊子も持っています。


右端の本です。中央のは前述の道草料理入門。
(余談ですが『「大志満」のおもてなし和食』は盛りつけが美しく、参考にしています)

イラストと文章でレシピを紹介してあります。


他の本よりも見劣りしそうですが、掲載されているレシピは「こういう使い方があったのか!」「確かにこの野草はこの料理に使ったら美味しくなるだろうな」というものが多く、とても参考になりました。
書店での取り扱いはないかもしれませんが、お気に入りの本です。


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色々紹介しましたし、amazonへのリンクも貼りましたが、できれば書店へ行って何冊か手にとって中身を読み、自分に一番ぴったりくる図鑑を購入するほうがよいです。
知っている野草、例えばタンポポ、春の七草、葛などを見てふむふむと納得できたり、これも食べられるんだ!とわくわくするページがあったりする本。
そして先にも書きましたが、似ている毒草がすぐにわかる本がいいかなと。

食べられそうな野草を摘んでもすぐに口に入れないでくださいね。
食べられる植物とよく似た毒草、たくさんあります。
まずは図鑑でしっかりと確認して、間違いないとわかってから食べてみてください。

良い図鑑と出会えますように。。







2018年3月29日木曜日

蕗のアンゼリカ風、完成

蕗に甘味はよくあう

そう思い、以前アンゼリカ風お菓子にチャレンジした事がありました。

フキの砂糖菓子


んでも思ったようにいかず。。。

でもめげずにその後も何度か試作し、ようやく完成しました。








2017/06/18 初夏の山菜野草料理会


では、作り方をば☆

使ったのはどこにでも普通にはえている蕗。
でかい秋田蕗を使ったほうがよりアンゼリカに近いものができると思いますが、野生の蕗でも葉柄の太いものを使えばいけます。
細いものはマッチ棒のようになってしまいますのであまりおすすめしません。

太い葉柄の蕗を集め、葉を落とし、鍋に入る長さに切りそろえて茹で、水にさらして薄皮とスジを取り除きます。


ここまではいつもやっているフキの下ごしらえと同じです。
写真のは少し細いです。もうちょっと太いもののほうがよいです。

4センチ程度に切り揃えます。
使うのは根元の太い部分だけ。上のほうは煮物やサラダやふきペーストなどお好きな料理に使ってください。葉っぱと合わせて蕗の葉むすびにしてもいいですし。

フライパンにふきと砂糖を入れ、数十分放置するとふきから水分が出てきます。
ごく弱火で加熱し、ふきからでた水分が最初よりも増えたなと思うところでちょっとストップ。

フキをいったん取り出して汁を煮つめ、フキを戻してまた加熱して、水分がでたらフキを取り出して、を繰り返します。

フキが細くなり、水分の出方が少なくなったなと思ったら、フキを取り出して汁を煮詰め、頃合いを見計らってフキを戻すと糖分が粉をふいたように白く固まります。

一本ずつ離して冷蔵庫内で乾燥させてできあがり。


飴のように固くなく、砂糖がサクサクとした食感です。
フキの味がちゃんと残っていますから、これ、好きなんですよ。

これは別の日に作った時の。
野食会2107春&初夏(2017/05/27)

トップにアップした完成品よりも色が濃いですね。
この違い、なんだろう?砂糖と一緒に加熱しているときの時間が影響してるのかな?

フキのアンゼリカ風、美味しいのでおすすめです。





2018年3月28日水曜日

つくしの頭の砂糖菓子(?)

我が家の庭にはスギナが少しはえています。
でも、庭でつくしを見た事がありませんでした。

今日、エアコン設置のため、いつもは入らない敷地内に入ってみました。


あるじゃんーー


頭が開いてなくて胞子がしっかりと詰まった良いサイズですね。
小さいのもありますが、簡単には入れない場所ですので、出ていたものを全部摘み取りました。


土筆料理を今までも何度か作っていますが、頭の苦みがどうも苦手で。。
苦いなら甘くすればいいじゃない。
ということで、砂糖で煮てみる事にしました。

目指すは『蕗のアンゼリカ風』のようにする事↓
砂糖が粉をふいたように全体についていて、これ、好きなんです。
んでもつくしの茎は細いからこんな感じにはならないだろうなぁ、、と思いつつ、試してみました。



やっぱできないや(´・ω・`)

砂糖が粉ふいたようにはならず、べっこう飴状態ですね。。


今回やった方法
  1. 胞子の苦味が苦手なので、最初に穂の部分だけ湯につけて2分くらい茹でて胞子をできるだけ落としてから、全部を湯に入れてさっと茹でて水にさらし、キッチンペーパーで水分をしっかりととる。
  2. 鍋に水と砂糖を入れ、焦がさないように煮詰め、つくしを入れる
  3. つくしを入れると水分がでてくるので、つくしを一旦取り出し、砂糖水を煮詰め、またつくしを入れて砂糖水をからめる(今回は二回繰り返した)
  4. 頃合いを見て取り出し、クッキングペーパーの上で一本ずつ冷ます


うーん、まあ、失敗ですわなあ。。。


とりあえず試食してみました。
まずは茎の部分。
飴がしっかりと絡みつき、噛むと歯にくっついて困ります。
そして繊維質が強い感じになってしまい、噛み切れません。

茎はあかん。
でも、頭の部分、これは結構イケました。

私は胞子の苦みが苦手なのですが、砂糖の甘さが苦味をコーティングしていました。
最初に噛んだ時には感じないのですが、かみしめていると、抹茶のような粉っぽさの中に海苔のような風味がしてきました。
ほんとの海苔ではなくてもっと人工的な、強いていえばポテトチップス海苔味のような風味です。
そして苦味は感じませんでした。

ツクシの頭と砂糖、相性がよさそうです。
これからは茎は煮物に、頭は砂糖菓子にすればいいかな。
ただ、要改善です。
  • 飴状にならないようにするために、茹でてから粉砂糖の中に入れてみる
  • 形にこだわらずに、粉砕して砂糖とともに蜜にする
  • 小麦粉との相性がわからないけれどクッキーにする
  • 牛乳との相性がわからないけれど生クリームに入れてみる
  • ペーストにして白あんと混ぜてみる
こんな感じかな。
頭だけならば加熱後に細くなる事もたぶんないでしょうから、蕗のアンゼリカ風の手順でもいけるかもしれません。

ところで、胞子って別に毒ありませんよね?
これを食べた後一時間くらい水分や物を口の中に入れませんでした。
そしたら粉っぽさがずっと口内に残ってて違和感がありました。
ちょっと心配になって検索。
wikiに載ってますねえ。。
しかし、チアミナーゼ[4]、アルカロイド、無機ケイ素などを含むため、多量の摂取は推奨されない。また、心臓、腎臓の疾病を有する人、ニコチンに対する過敏症を有する人の摂取は禁忌とされる[4]。さらに、チアミナーゼによるビタミンB1欠乏症を起こす恐れがある[4]とされている。
ふううううむ。。。
でもどれくらいの量で症状が出るか書いてないし、他のところを見ても多食禁止程度しか書いてない。
そして胞子だけが有毒とは書いてないからたぶんつくし全草が、なのだろう。
まあ、普通に食すくらいならばOKということなのでしょう。


ということで、次回に活かすべく、覚え書きしときました。
ちゃんちゃん。