2018年12月31日月曜日

葛の根から葛粉をとりだす

葛の根を掘り起こして精製し、葛粉を作りました。

葛根から葛粉を作るやり方をネットで検索しても詳しく出てこないので、今後の参考になればと思い、私がやった事をまとめて記録します。
(これが正解というわけではありません)

つらつらと長文になりますから要点だけを先に箇条書きします。


  • 葛の根は冬に掘る(12月以降)
  • 洗うまではできるだけ傷つけない(洗う時に葛粉が流れでてしまう)
  • 綺麗に洗った後、繊維状になるまで粉砕する
  • 冷たい水の中で葛根をしっかりと揉んで葛粉を落とし、葛の根を取り出し、水はそのまま半日おいて葛粉を沈殿させる(葛の根は処分する)
  • 沈殿したら水をそっと捨てて葛粉だけにし、新しい水を加えて攪拌する
  • ザルや茶こしで濾して大きいゴミを取り除き、また沈殿させる
  • 葛粉が沈殿したら水を捨てて新しい水を足してかき混ぜ、キッチンペーパーをザルの上に広げて注いで不純物を濾しとり、葛粉をまた沈殿させる(A)
  • 葛粉が白くなるまで(A)を繰り返す
  • 乾かしてできあがり


=※=※=※=※=

葛の根から葛粉を取り出すイベントに参加してきました。
主催は365日野草生活さん。
去年の葛掘りにも参加しましたが、去年は私は精製しませんでした。だって面倒なんだもん。
なので葛粉作りは今年初めてです。
そうそう、ツイッターで #クズ2018 と検索すると色々でてきますので。

葛は冬にでんぷんを蓄えます。
去年は11月に掘りましたが、12月のほうが良いみたい。

掘る道具と掘っているところ


先が尖ったスコップ必須です。写真に写っていますが小さい剣スコは使いづらいです。
鍬はなくても大丈夫でしょう。
軍手、のこぎり、剪定はさみも必要。
深く掘り下げますので土を掻き出すアイテムもあったほうがよいです。ちりとりとか。
葛根を掘り上げた後を埋め戻して綺麗に整地するのでしたら、掘った土をビニールシートの上に置くと埋め戻し作業が楽だと思います。

葛の根は地表から10センチ以上したにあるように感じました。
なので最初は葛の根元の周囲の半径30センチくらいまでを掘り下げ、根がどのようにはえているかを手で触って確認。
根を見つけたら、はえている流れに沿って周りを掘っていきました。

みんなで掘り上げた葛根(左)
市販の葛粉はもっと太い根から作っていますが、このサイズでも葛粉がとれました。
端を切って汁が出るものだけを使いました(右)



私が持ち帰った葛根


マンション等では大きい葛根を粉砕するの大変だろうと思い、あえて太いのを持ち帰りました。そして重さを量り忘れる。。。

たわしを使い、土汚れを綺麗に落としました。

一部が傷ついてふにゃふにゃになっていました。
洗っていると流しに白い葛粉が。傷から流れ出たようです。もったいない。
洗うまではできるだけ傷つけないようにしたほうが良いと思います。

適当な大きさに切って、粉砕。



庭で大ハンマー使ってぶったたきました。楽々。


ガーゼで袋を作り、葛根を入れ、冷たい水に浸します。


この袋の上から揉みました。が、破けそうでしたので、鍋に根だけを入れて揉み、液をガーゼ袋で濾すやり方に変えました。

すでに葛粉がでていますね。


寒い時期ですのでぬるま湯程度の水温で作業したいのですが、水温が温かいと発酵すると書いてあるサイトがありました。
以前に葛特集していたテレビ放送内でも同じ事を言っていました。
なので我慢して冷たい水の中でしっかりと揉み込みました。

根の量が多いので複数回に分けて揉みました。


右上から時計回り。
アクの色がすごいですね。
葛粉の沈殿が進むと液の濁りが減りますね。


沈殿一日目
葛粉、溜まっています。


鍋四つの葛粉を一つにまとめ、新しい水を入れて攪拌。そして沈殿。


沈殿二日目、水替え後。
アクが減り、カフェオレ色になりました。



沈殿三日目と四日目、水替え後
1日二回水替えするようにしました。



茶こしで大きめな不純物を取り除き、その後、キッチンペーパーで漉しました。
土が入らないように丁寧に洗ってから潰したのに、鍋の底に砂っぽいものがありました。
最初にガーゼ袋に包んで液を漉してたのに、細かい不純物も。こんなにあるとは思わなかったです。


沈殿五日目と六日目、水替え後。



濾す作業を加えた事により、だいぶ白くなってきました。

さらし(三枚目の右下)のほうが目が細かいからたくさんとれるかなと思い、使ってみました。
けれど、写真で見てもわかるように、ペーパーのほうがよくとれました。
ちなみに、さらしで濾してからヘーパー使っています。
たぶんですが、キッチンペーパーの表面の毛羽立ちに汚れが吸着されるのかなと。


濾したペーパーを絞り、でた汁をレンチンしてみました。


うーん、茶色い。。
透明になるとこんなにも色が出るのですね。
葛掘りから二週間後にクズ料理の集まりがありますので、これを見て、この日から濾す回数を増やして5回くらいやる事にしました。早く白くしたいんで。


沈殿七日目

一枚目は水替え前の状態。
綺麗に澄んできましたね。


二枚目は水を替えてキッチンペーパーで濾した後の状態。
ペーパーにどうしても葛粉がついてしまいますので、使ったペーパーを水の中ですすいでみました(写真二枚目の左側)。
真っ白にはならないでしょうけれど、せっかくの葛粉が減ると寂しいですから、第二軍としてこれも集めてみます。←出来上がったらすっげ白かった


沈殿八日目

真っ白になりましたので、乾燥に入ります。

不純物が残っていると、沈殿した時に層になります。
除去しやすいように高さを出すべくペットボトルにいれました。
これならば下に汚れが溜まったとしても分けやすいかなと。


右は精製しまくったほう。左は濾したペーパーを洗って得た葛粉(第二軍)。

今までコーヒーフィルターを使っていませんでしたが、ちょっと使ってみました。
汚れ、ないですね。

後日談になりますが。
クズ料理の集まりの時、濾すのにコーヒーフィルターをメインで使ってたかたの葛粉を見せていただきました。出来上がりの葛粉が白くなかったです。
目の細かさよりも、キッチンペーパーのように表面に凹凸のあるもののほうが汚れを吸着除去できるのかもしれません。


葛粉を取り出す為の沈殿。
左、10時間経過。 右、16時間経過。


不純物が多少残っている第二軍のほうは半日経過後沈殿したのですが、精製しまくったほうは半分が不透明なまま。

結局、丸1日経ってようやく沈殿しました。


たぶん、粒子がめっちゃ細かいので沈殿しなかったのかなと。

水を捨て、ペットボトルを切って。

一枚目は超精製しまくったほう。二枚目は第二軍。


超精製しまくったほうは色の層がまったく見えません。表面も綺麗。
第二軍のほうは表面に汚れが見えますね。

まだ湿っていますので、ペットボトルから取り出さずにそのまま干しました。


翌日、水分が少し抜けて容器から離れてきましたので、切って取り出して更に干す。



不純物を確認すべく、断面チェック。
左の薄いほうが第二軍、右の厚いのが超精製した葛粉。


この状態では第二軍のほうに薄く層が見えますが、きちんと乾燥したら見えなくなりました。


干して三日後。クズな集まり(クズ料理の会)の前日。


水分が抜け、ポロポロと崩れるくらいになりました。
超精製と第二軍あわせて69グラム。

結論として、精製しすぎました。
最初にあった量からすればもっと残っていてもよかったはず。
ペーパーで濾す作業を多く行ったため、ペーパーに付着してしまったのでしょう。
もったいないことをした。。

そして、ここまで白くする必要はないかもしれません。
後でブログに記しますが、クズ料理の集まりの時に他のかたが精製した葛粉の葛湯を飲みました。
濁った色の葛湯でしたが、甘味があって香りもよく、美味しかったです。
白く精製した葛粉の葛湯は味がほっとんどありませんでした。

葛切りなど透明が必要な葛粉は精製して真っ白に、第二軍は白さを求めない
この二種類を作る感じがよいのかもしれません。

これで葛粉精製おわり。
次回またやる事があれば、ペーパーで濾した後、そのペーパーを水の中で丁寧にふり洗いして第二軍をもっとたくさん作ろうと思います。


次、クズな集まり(クズ料理の集まり)で作った葛料理をアップしますね。



2018年5月30日水曜日

ドクダミ地下茎の甘辛煮

昨日摘んだドクダミの地下茎を使って、ドクダミ地下茎の甘辛煮を作りました。

ドクダミ地下茎の甘辛煮

大好きな味ですので毎年作っていて、今年は春に続き二回目です。

作り方
1.ドクダミのひげ根を爪でこそげおとし、表面の土もきれいに洗いおとす
2.下茹でをして、ちぎれる柔らかさの部分だけを選択
3.鍋に油を入れ、3cmくらいに切ったドクダミ地下茎を炒め、出汁、砂糖、しょうゆ、酒、水を加え、焦がさないように煮汁がなくなるまで煮る

ひげ根をとっているところ
下茹で後

ドクダミ葉とはちょっと違う風味があります。
直線的ではないというか。。舌ざわりも優しいですし。
醤油、そして砂糖の甘さとよく合います。

でも、春に作った時のほうが美味しいかな。
皮の硬さが春のほうが柔らかく、食べやすいです。

この料理は『ひと目で探せる四季の山菜』という本に載っています。

ドクダミのページの右下に文章でレシピが載っていたのを見て、作ったのが始まりです。

いつ頃作り始めたのかなと調べたら、2009年に初めて作っていたようで。

写真から察するに、この時のは硬い地下茎を使っていたようです。
味付けも上手にいってなかったみたい。
それから何度か作り、味も決まるようになって、今では我が家の定番料理となりました。

この料理のポイントは、柔らかいドクダミ地下茎を使う事、かな。
今回は下茹での時間が長く、柔らかい部分の確認の時にすでに少し煮溶けてしまいました。
はい、ドクダミ地下茎の皮は案外しっかりしていますが、内部はでんぷん質状の、マッシュポテトのような感じ。

硬くて細い地下茎を使うのでしたら、youtubeで「折耳根」と検索してでてくる炒め物の動画が参考になるかもしれません。

※FB『美味しい山野草部New』に投稿したものを加筆修正して掲載




2018年5月29日火曜日

ドクダミ酒(歴代ドクダミ酒全員集合!)

庭からドクダミを採ってきました。


ドクダミ、好きなんです。なのですべてを除去せずに一部を残し、翌年もまたはえてくるようにしています。


この写真にはドクダミ以外の食べられる野草として、ヨモギ、三つ葉、キクイモ、カキドオシ、ヤブガラシ、蕗が写りこんでいますね。
篠竹は筍を食べ、それから、酢飯を葉で包んでレンチンして香りをつけて竹の葉蒸し寿司を作ったりしています。

今回収穫したものは、地上部はドクダミ酒に、地下茎は定番の甘辛煮にします。


さて、まずはドクダミ酒。
洗って新聞紙の上に広げて水分とって、刻んで、ドクダミ酒にし、、、

間違えて料理酒を注ぎ込んでしまいました(^^;;;



なので再度庭から摘み、ホワイトリカーで新たに漬け込みました。


今まで作ったドクダミ酒です。


いま残っている中で一番古いのは平成22年ですから八年物ですか。
年を経るごとにアルコールの刺激が柔らかくなってきます。
以前は化粧水かわりに使っていたのですが、量が少なくなるともったいなくて使えなくなっちゃいますね(*^^*)
変質を少しでも防ぎたいので、古いものは冷蔵庫保存しています。

さて、間違えて注ぎ込んでしまった料理酒ですが。。。
葉の間を一回通っただけなのに、すでにドクダミ風味がついているという(^^;
でも、昨夜、肉の下味付け等に使ってみましたが、味付けを濃い目にすればドクダミ風味が感じられなくなりましたのでほっとしました。
すべての料理がドクダミ風味では困りますから(笑)

※FB『美味しい山野草部New』に投稿したものを加筆修正して掲載